「ピンクのTシャツに白のスカートですか?」
「はい」
「では、2時にロ○ヤルホスト○○店で」

風俗店の店長の仕事のうちでも、面接は重要なお仕事で御座います。
ほぼ毎日1日3組の面接。365日で1200名くらい・・・
毎日を金に困った女性相手に話しをします。
そりゃ毎日のことですから、ビックリする事も日常茶飯事で・・・


「ピンクのTシャツに白のスカート」
と面接にやってくる服装をそう伝えた女性
声は高めで、ハキハキと受け答え
おそらく、この仕事に慣れている人、しかも面接慣れしてるだろう
数件の店を渡り歩いているのだろうか・・・・?

当店はデリバリーヘルス。
世の殿方に疑似体験をして頂くお店でございます
普通では知り合えるハズのない女性や、
彼女とでは決してできない体験をしていただく
あんなことや、そんなこと・・・
これが当店のモットーでございます
もちろん貴方のお好みの女性が見つかります
なんといっても、面接には念には念を入れておりますので・・・

今日の女性は年齢23〜25くらいであろうか?
そんな想像をしながら、約束の待ち合わせの場所に向かった

「ヤバイ!!」

店内に入るとすぐさま目的の女性が誰であるかわかる
「ピンクのTシャツに白のスカート」

窓側の席に座っている1人の女性・・・・
間違いない!けど、間違であってほしい・・・
ムチムチのからだにピンクのチビT、はちきれんばかりの白のミニスカート
歳の頃は40すぎ・・・

はっきり言って
キツイ! キツすぎる! やばいくらいにキツイ!!


何の迷いもなく、彼女の前に腰をかける
「え〜はじめまして」

「あっ♪はじめましてぇぇ〜♪」キャピキャピの四十路

連れと思われるのが、心痛い!もちろん自分の
ふと思った・・

コレは他店との怨恨から差し向けられた
「刺客」なのでは!?
絶対にそうだ!そうに違いない!!
これはひょっとすると、アメリカもイラクも未だかつて手に入れていない
最新の生物兵器か!? そうにちがいない!!
ぃや、眼光からビームをぶっぱなす最新式のロボット!?
やばい・・・やばすぎる・・・


「え〜○○さんですよね?」
刺客との間合いを取りつつ話しかける


「はい♪そぉで〜〜す♪」


間違いない 兵器だ!!

もしかすると店内全員「グル」かもしれない!
店員もグルでなくては入店できる訳がない!!
きっと水に毒が盛られているにちがいない

フッッ そんなにこの「不肖でりまさと」甘くわないぜょ!!
そんなに簡単に殺られるオレ様じゃねぇ!!

水は飲まない
「え〜この仕事を始めたきっかけは?」
「ん〜〜なんとなく?かなっ♪」
「では、どのくらいの期間このお仕事を?」
「そうね♪15年くらいかな きゃは♪」


やばい!やばすぎだ!奴はプロ。プロ中のプロのヒットマン・・・
15年間いったい何人の弾を獲ってきなのか・・・
不肖でりまさと、27歳と3ヶ月。こんなところで
人生終えてなるものか!!
くっそう!ビームはどこから出てくるでぇ!!見切ってやるぜぇ!!
ぃや、待てよ。
こいつはオトリで、実はモノホンのヒットマンが外の高層マンションから狙ってるのでは!
ピンクの超チビTに白の超ミニスカの43歳の前に座る男!
こんな目標があれば、どんな遠くのビルから狙ってこようが、
見間違う訳がねぇ!!
そう・・・私が何の迷いも無く彼女の前に座ったように・・・
そうか!そうだったのか!!しくじった!!
だから窓側の席か!  やられた・・・ 完敗だょ・・・


このガラスは防弾だろうか?ぃやそんな訳はない
ゴルゴは今頃オレのこめかみを見つめ、
「ロック・オン!!」
なんて言いながら、笑ってるのだろう・・・

心持ち息が苦しい・・・。
生物兵器が撒かれたか!?

「なんとかそちらで働かせてください♪」

最終的な目的は事務所壊滅らしい・・・

「面接の合否は本日中に連絡いたします」


店を出て3秒後、彼女の携帯に電話をかける


「今回はご縁がなかったということで・・・」


デリヘル店長は常に「死」と隣り合わせで
明日も面接に向かうのであった。

おちまい

http://www.vesta.dti.ne.jp/~hmhiro/


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