デリヘル人情劇場Vo.3 『血まみれの女編』
2002年9月25日午前も丑三つ時に一本の電話が鳴った
「おぅ。新開地の達也やけどなぁ」
ドスの効いたその声はまさに『達也兄』の声だった
達也兄はひょんなコトで知り合った、言わば『同業者』であるが、
縄張り(シマ)自体は他府県ということもあり、諍い事もなく
よき相談相手と言えるこの世界では「先輩」にあたる人間。
「悪いがの、そっちにジュリアン言うホテルあるやろが、
そこに向かってやってんか!」
この達也、話に『理由』や『訳』などというものは一切出てこない
「西淀川のジュリアンですか?」
「おぅ!そこで、うちのマネージャーや言ったら解る!頼んだぞ!」
電話は一方的に切られた。
いつもの達也兄の話し方に比べ、
言葉の隅々に動揺や焦りに近いものを感じた。
達也兄のシマから、うちのシマというとかなりの距離がある。
なぜ西淀なのか?何があったのか?
あの話しかたからすれば、「時間が無い」という事だけが唯一の事実らしい
兎に角、ホテルジュリアンというラブホテルに向かった。
そこは、『ホテル』という名は付いているものの、
見るからに『モーテル』と言った方が適切で、付近に広がるネオン街からは
タイムスリップでもしたかのような、古ぼけた一軒の『連れ込み宿』である。
今にも消えそうなピンクのスポットライトに照らされた『ホテルジュリアン』
という看板が、
今から起こるであろう出来事のすべてを照らしているように思えた。
ホテルの前に達也兄の店のドライバーらしき男が立っていた。
「達也兄の店の人間か?」
さとしと名乗った二十歳そこそこの男が、コクリと頭を下げた。
「ここに来た理由なんにも聞いてないんだがね・・・」
「・・・ここに、うちの店の女が常連客と3時間前にINしたんですが、
一向に出てこなくて、ホテルに聞くと客の男はとっくに出て行ったと言うし、
・・・女の携帯鳴らしても、ホテルのフロントからインターホン鳴らしても
全く返事が無いんすよ・・・。」
「ここはフロントがカギ開けてくれへんのか?」
「・・・業者で使用したんなら、通報するか店の上の人間が立会いでないと
フロントはカギ開けないって・・・」
客がホテルからいなくなっているのに、女が出てこない
考えられるのは、女が電話も出れない状況なのか・・・
例えば、手足を拘束されている、
もしくは・・・意識が無い・・・。
強盗か・・・強盗殺人!?
それか、
女もその部屋にいないかだ
誘拐・・・
ヤな事になった。
普段店側は、こういうトラブルにならないように、客がホテルにいる場合は、
連れてきたドライバーが女性が出てくるまで、ホテルの入り口付近で待つように言ってある
男性が一人で出てきたなら、例え関係の無い人間であっても何号室に入っていたかを聞くのである
店は男の顔を知らない場合が多い。自宅派遣なら男の「自宅」という絶対的な身元保証があるが、
ホテルからなにがしろな方法で逃げられたら、
ほぼ男を捕まえることは不可能だ。
うちの店では初めての客は、ホテルからだと安全を考え行かない
もしくは、先に客の身分証明(免許証など)を預かる
ヤな事になった。
「おまえここで待ってろ」
フロントに向かうと『副支配人』と名乗るさえない中年が出てきた。
『副支配人』というよりは『番頭』といった感じか
「○○のマネージャーのでりと言います」
番頭はすぐにホテルの奥の支配人室に招きいれた
「警察沙汰をされちゃこっちはたまらんですよ!」
苦虫を噛み潰した、いかにも苦痛に耐えない表情で『番頭』は呟いた
「連れ込み宿で男が一人だけで出て行く時は、おまえらが男に一声かけんのが勤めちゃうかぃ!?客を業者、一般に分けとるらしけどのぅ、
客は客じゃ!はよカギ出さんかぃ!」
「しかし勝手にカギを開ける場合はこちらにサインをしていただかねば・・・
プライバシーの問題やら・・何やらありまして・・・」
さっきの一言が効いたのか、『番頭』はおとなしくなった
「じゃ、あんたが開けろや」
「いぇいぇ・・・。私は部屋の前まで案内するだけでして・・・」
『番頭』からカギを奪うとすぐさま部屋に向かった
後ろに番頭と、興味本位か掃除のおばさんが数名付いて来た
ヤな事になった。
会ったこともない達也兄の店の女は、
いったい部屋でどんな姿でいるのか?
生きているのかさえわからない。
唾を飲み込む微かな音まで聞こえそうな、そんな静寂が緊張を高める
201号室と書かれた部屋の前で、一つ深呼吸をいれカギを差し込んだ
玄関と奥の部屋は刷りガラスの引き戸で仕切られており、
微かに聞こえる有線の音以外、部屋の様子は判らない
「開けますよ」
誰に向かって言ってるのかさえわからない、
緊張なのか不安なのか
自分の足が僅かに震えているのを気付かれぬよう
心を決め、一気に引き戸を引いた
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私、この現場に着いてから、ずっとある「矛盾」を感じておりました
その「矛盾」とはなにか?
この女はいったいどうなってしまうのか??
このストーリーの完結編、その「矛盾」の回答編は秘密日記にて・・・
これより先、一部文章衛生上好ましくない文面に突入します。
ですのでダイアリー日記規約通り、
以下秘密日記にて公開という形を取らせていただきます。
相互リンクの方のみお進みください♪
ちょっとやらしいですか?(爆)
リンクナシの方、リンクしてやって下さい
それか、当ホームページの『火曜サスペニス劇場』
って所からオリジナルページでご覧になれます。
一応、この『編集後記』はHP「日刊でりぃ新聞」
の1コンテンツとして運営されております
ご理解の程よろしく♪
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