デリヘル人情劇場『逃げた女 関東編』その1
2002年10月6日今回から数本は10月4日→3日とに書いた
「刺客に撃たれた日」 その1、その2の続編であります
今回もそれを読んで頂かないと、若干意味不明です。
まず4日、3日の順番でお読みになって
6日、5日と読み下げてくださるようお願いします。
ややこしくてゴメンナサイ(>_<)
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「い・・らっ・しゃい・・ま・・せ・・。」
明らかに和美の顔色が変わる
元々色白の肌が蒼白となり、やがて薄紅色に染まっていく。
「て、・・店長さん・・・」
「覚えていてくれただけでも光栄ですね」
ここは、東京は歌舞伎町のとあるファッションサロンの一室
1ヶ月前に「爆弾」として我が店に刺客として現れ、
店長でりに「淋病」を感染させるという暴挙に出た和美。
自称風俗界の異端児がその威信とプライドをかけ、
捜索すること1ヶ月。
関西から離れる事800キロついに和美とご対面したのだ。
「なぜここに来たかは、分かるよな」
「す、、、す、、すみません・・店長さん」
「えらいことしてくれよったのぅ、山田里美(仮名)さん。
苦労したでぇ・・・本名と実家探すのな・・・。
これ、君の実家の写真な。で、これ大阪のホストクラブでのツケ。
請求書のコピーな。で、うちの寮の敷金の立替代の請求書。
それに歌舞伎町でもツケとるらしぃのぅ・・・
合計が・・えっと・・113万3000円な」
「すみま・・・せっ・・せん店長さん。ホントにすみません」
「でな、大阪のホストクラブはな、被害届け出てるで。
えらいことなったなぁ・・・逃げ切れる思った?」
「ぃえ・・。あっ・・あっ・・・すみません・・・」
和美の紅潮した顔から大粒の涙が零れる
「あのなぁ。あのホストクラブもな、ここもな、
うちの知り合いの店ゃ
残念やったなぁ・・・世間は狭いのぅ・・しかし残念やったなぁ」
「・・・。」
1ヶ月前に突然姿を眩ました和美。
絶句というのは正しくこういう状態を言うのだろう。
もしかすると、このときの記憶さえ定かでない程
和美の頭はパニックしていただろう
飛んだ人間が最もダメージを与えられるのは自宅を知られてしまう事、
店で名前を源氏名に変え、違う土地で働く夜の人間にとって、
一番知られたくないのは「本名」と「実家」と言われている
実家の写真を突きつけられた和美はまず、もう逃げる意欲はゼロ
すべてを知られてしまっているという恐怖感で口は利けなくなる
「さて、これからどうするかゃな。
ここの店にも、もう話ついてるから」
「・・・」
「勘弁して下さい。勘弁して下さい。警察は勘弁して下さい。
親は大阪で真面目に働いてるって思ってます。
わたし、片親なんです。勘弁して下さい。勘弁して下さい。」
「あのなぁ。親に真面目に働いてるゆーて嘘ついて、
ホストで男はべらせて、挙句にお前闇金にまで手つけて、
どんだけ借金ふくらませとんじゃい!
今回の金合わせたら幾らの借金なってるか知ってるか?
お前の借金450はいっとるぞ!?
解るか??闇金融の利息だけで月45万やぞ??わかってるか?
闇金の利息な、年利160%やぞ??分かるか??おい」
和美を探すにあたって、色々と調べてみると、ホスト以外に使ってると
思われる借金が300万近くになっていることがわかった。
研修という形でうちの店で働いていた6日間、
和美の服装、アクセサリー、かばんに金目のものは記憶になかった。
ホストクラブに話を聞いてみても、我こそは!というブランド品に身を固めて
店にやってくる女性とは裏腹に、和美はいつも質素な服装であったと言う。
逆に、それが彼女を探す一番の手がかりにもなったのだが、
なぜ和美はホストに通っていたのか?なぜ300万近くの金が必要だったのか?
そのことがずっと気になっていた。
「とりあえず荷物まとめて前の店に来てくれる?
先に出てコーヒーでも飲んでるから。な?」
こちらの店に迷惑はかけれないので、閉店間際だった
外は歌舞伎町の夜が一番輝きを放つ時間。
なぜいつもオレってこんな役回りなんだろう・・・
ヤルセナイ気持ちがネオンの光とは対照的であった。
↓につづく
尚、この話に出てくる団体名、及び個人名、固有名詞はもちろん全て実在しません。
そして、この話をお読みになって万が一被られた被害にたいして、筆者でりは一切の責任は負いませんので・・・あしからず。
まぁそんなコト有り得ないと思いますが(笑)
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