デリヘル人情劇場『放免桜』その12「シホという女?」
2002年11月24日シホは一時間近く神戸の夜景を見ていたであろうか・・・
外で彼女が一人夜景を見ている間、さっきの一言のことが気になって考えていた。だが、思い出せそうで一向に思い出せない。
麗華に無線で彼女の情報をとりあえず聞いてみることにした。
「麗華よー。本名でサカシタ シホって名前、リストに載ってるか調べてくれる」
「アイヨー。シバラクお待ちクンロー」
ここで言う「リスト」と言うのは、
風俗店数十店により作っている組合のようなもので、極悪客や極悪店の情報交換、店に対して重大な過失を行った風俗嬢、例えばバンス(風俗店に借金をすること)をしたまま逃げた女や、あまりに過ぎるトラブルを起こして去った風俗嬢のリストなどを互いに交換するのである。要するに風俗界の「ブラックリスト」自己防衛のためのリストである。
「親分サン。サカシタシホって名前出てマスヨー」
「出てる!?何で出てる?」
「えートラブルリストデシィー。キタの○○って店と△△ってミセから2ツデスー。内容ハ、店内ノ同姓従業員デノトラブルねェ。」
トラブルでリストに載るなんて事はまずない。
男性従業員とデキてトンズラをしない限りはトラブルリストなんてモノは流さない。なぜなら、女性同士のトラブルなんていうモノは、日常茶飯事に起こっている事。そんな事は店自身が解決する問題で、外に流す方が店自体の信用を落としかねないのだ。
そんな事をわざわざ流すと言うことは、店がワザと流している様にしか思えなかった。リストで流せば、どこかの店にシホがやって来てリストにかかり、その店は警戒してシホを取らない。要は締め出しをしているのではないか?
ウチはトラブルリストに関しては、それを入店の基準には一切しない。
それよりも気になったのは、○○という店名だった。
○○は箱型店舗、
いわゆるヘルスという名で知られる店で、かなりの大手。
この店も組合に加入していたとは・・・
この店でシホは働いていたのか・・・。
なぜ風俗でも流れ者が比較的集まるデリヘルにやってきたのか
収入だけで言えば、おそらく箱店の方が多いだろう
○○・・・○○・・・○○・・・・・・
あーーそうか!あの時の・・・
ずっと詰まっていたつっかえが一気に流れ去った。
点が線となって繋がった
コメント