火曜サスペニス劇場「超マザコンな男」その3
2002年11月30日立派な一軒家の玄関に現れたのは、紛れも無い
『ママ』
であった。
「まぁ遠い所をわざわざありがとうございます。
さっ。どうぞお上がり下さいませ。
あっ。そちらの男性もどうぞお上がりくださいませぇ〜。」
その言葉にいち早く反応を見せた麗華は、がっちりと私のジーパンのベルトを掴み、先に入れとグイグイと押すのである。あくまでもドライバーとしての仕事は、お客の家の前まで風俗嬢を連れて行く”まで”である。
「それではお言葉に甘えまして、失礼します。」
麗華はそう言うと、私を盾にするような格好で家の中へと進んで行く。
「こういう事は後先もう2度と無いんだから、観念して下さい」
そう耳打ちされ、しぶしぶ室内に入る。
「どうぞそちらのソファーにお座り下さい。
今、お茶をお持ちしますので〜」
これはまさか何かの罠ではないだろうか?
客となる男、いや『息子』の姿は何処にも見えない。
母親がわが子のために『風俗嬢』を呼ぶであろうか?
いったいどんな『息子』が出てくるのか?
あくなき探究心と好奇心が徐々に染み出てくる。
おそらくこの家は『鉄筋コンクリート』というヤツだろう。
20畳はあると思われるリビングには、何やらガラスの壺やら立派な額縁に入った絵 ぃや、絵画が飾られている。そんなお宅である。もちろん運ばれて来るのは「煎茶」ではなく、「お紅茶」 その脇に添えられるのは、「せんべい」ではなく、「おクッキー」である。
リビングのソファーに座る風俗嬢と店長。
そのテーブルの向かいにはなぜか「ご婦人」
あまりにも「イレギュラー」
なんという3ショットなのか。。。
この訳のわからない状況を打破すべく、口を開いたのは麗華だった。
「麗華と申します。 あの・・っ。私でよろしいでしょうか?」
客の所へ行き、まず聞くことは自分でよいのか と言う確認である。
マニュアル通りに話す麗華だが、何かが違う・・・・。
『ママに聞いてどうする!』
こころの中でツッコミを入れるが、口には出来ない。
「えぇ。麗華さんて言うのね。ずいぶんお綺麗ですこと。結構ですわよ」
『あんたも答えてどうする!』
これも口には出来ない。
いったいこれは何の会話であろうか・・・
「あのぉ・・・・。で・・・。息子様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?
お連れした女性で納得していただけるかを、ご本人様に確認していただきたいのですが」
笑いが込み上げてきそうな雰囲気を押し殺すべく、いつもより低音な声でしゃべった。
「あっ。ご心配はいりませんょ。こちらの方で申し分ありません。
息子はそちらのお部屋におりますの。
呼んだほうがよろしくて?」
そう言うと、ママは息子の部屋をノックし
「タカシちゃ〜ん!一度お部屋から出てきてご挨拶なさい!」
とタカシちゃんをリビングに呼びつけた。
リビングに現れた「タカシちゃん」は想像通りの
「ぼく趣味は勉強だもんね!」的な青年であった。
つづく。。。
秘密は30日にあります☆
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