デリヘル人情劇場 『絆』 その3
2002年12月29日???
なんだ?
今日からうちで働け??
言ってる意味が即座に理解できない。
「ヒロよぉ!こいつウチでは”さとみ”言う名前でやってたけどなぁ、別に名前変えてもエエしな どんな仕事でも出来るからのぉ、好きに使ってやってくれるか。悪いけど帰りにそのまま連れて帰ってくれ!頼んだぞ」
なんだか頼まれた気味なのだが、この人はまた突拍子もなく無理を言って来た。
「え?達也さん?ウチでこの子をどう使ったらいいんすか?電話番すか?」
「お前の店は麗華がおるやろが こいつはそんな電話番なんてでけへんぞ!お前の店で働かせ てワシ今言ったやろょ?こいつは風俗嬢や」
困ったことになった。
今ウチは風俗嬢の人員は足りている。
【Brutus】で働く女性の8割はうちが借りているワンルームで生活している。寮完備で部屋代さえ払うのに困っている人間を集め、3ヶ月契約で住む場所を提供し働いてもらっている。その3ヶ月間で遅刻、欠勤の多い者には店を辞めてもらい、また新たに募集をかける。そうすることによって、仕事に対しての意識を高めてもらう。また、借金をかかえてやって来る者が大半の当店は、個別に通帳を作り、個人の返済用に給料の一部を振り込む。日給で受け取る給料はそうでもしなければ、あっという間に使い果たし、返済が一向に終わらない者が多すぎるからだ。そして返済が終わると、ウチでの契約は切れる。その際にボーナス金として一人につき50万を支払い、それで新しい部屋を自分で借りて、踏み外した人生をやり直してほしい。そう願ってのことだ。それでもまだ風俗で働きたいという者は、寮から一旦出てもらい、再契約という形を取る。こうして新しい人員を補充し、常に新しい女の子がいる状態を保つのだ。
「今ウチの寮は空きがないんですが・・・。通えないですもんね・・・。」
ウチの事務所はマンションなのだが、事務所の部屋にも常に24時間体制で働く私と麗華、勘蔵さんにシホが1部屋ずつ使っており、空き部屋はない。
「部屋ないんやったら空くまで事務所のソファーでもなんでもエエしな!なんなら通わしてもエエ!とにかくお前のトコで働かせろってゆうてるんが聞こえんか!?あぁ!?」
こうでも言えば私がなんとかするだろう。というのを見据えて言ってるのであろうが、明らかに機嫌が悪くなっている。
後のことは帰りに考えるとして、とりあえず退散したほうがよいようだ。
「わかりました。では今日からこちらのやり方でさとみさんには働いてもらいます。また連絡は入れますので、今日は失礼します」
さっさとさとみ嬢を助手席に乗せ、退散することにした。
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28日分と29日まとめてUPしてます。
デリヘル人情劇場 『絆』 その2が28日
デリヘル人情劇場 『絆』 その1が27日
です。
30日は仕事が休みだべいべ〜y( ̄ー ̄)y
その4と共に、30日の昼に秘密も書きます♪
みなさま大掃除はおわりましたか???
主婦のみなさん、正月料理は考えましたか??
今年もあと数時間ですゼ!?
今年も一年ご苦労様でしたぁ〜!
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