デリヘル人情劇場 『放免桜』 ♯01
2003年4月13日早朝から、やわらかな陽射しが窓から見える風景を包みこんでいる。
空はあくまでも青い。清々しい空気を胸いっぱいに吸い込んで、爽やかな朝を満喫したいところだったが、当店【BURUTUS】の朝はそんな雰囲気ではない。
朝日が昇る頃に仕事の終わる我々は、この時間に一日の疲れがやってくる。
『デリバリーヘルス』という風俗の世界で生き抜くもの達にとって、この朝日は眩しすぎる。かつては皆、この朝日に喜びを感じていたのだが、今はこの朝日を懐かしみながらもどこか避けている。
「オヤブンサン!まどかチャンノ明日、送別カイネ!レイカ幹事ですからデシテ、遅れないでクダサイよ〜」
麗華は当店【BRUTUS】の受付嬢であり、現役の風俗嬢でもある。
中国人と日本人のハーフであり、少々間違っている日本語は彼女の愛嬌である。
「そうかぁ、まどかも明日で終わりか。で、どこで送別会するんだ?」
「でりサン”セイダイ”にやってやれテ言いましたカラシテ、叙々園レイカ予約したアルよ〜!」
まどかは一年程前にウチにやって来た。
こちらの耳をまどかの口元へと近づけないと聞き取れない声で彼女は
「自分を変えたい・・・です」
そう風俗に入る理由をつぶやいた。
一ヶ月はもたないだろうと思っていたのだが、まどかはこの闇夜の世界で一年をすごした。
彼女の教育係が当店のクレーム処理班であり、ムードメーカーであるあかねだったということもあり、また彼女の入店後入ってきた現在当店NO1であるシホがよく面倒を見た甲斐もあり、彼女は変わった。
誰もが認めるほどに生まれ変わったまどかは、誰よりも努力をした。
3月23日
彼女の陽の当たらない生活は終わりを告げるのであった。
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介護日記は↓っす。
今日は夜勤。
なんだか最近やたらと夜勤が多い気がしてならない・・・・。
行って来ます
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