最近無性に我が第六感がビシバシ冴えるのだ

普段なら絶対に取ることの無い見知らぬ番号通知の着信を
冴え渡る感任せに取る

「あのぉ、多分知らないと思うんですけど、
私は知ってるんです」

ビシバシ冴え渡る感は思い違いか!?・・・。

「は?」

「知らなくてもいいんです。
というか、知らなくて当然なんです」

「は?もしもし?どちらさん?」

「多分知らないと思います」

「ご用件は?」

「相変わらずお元気そうですね」

なにげにイヤミか???

「どこかで会ったことある?」

「いえ、知らなくてもいいんです」

やはりビシバシ感が冴え渡る

「ほぅ・・・。久しぶり!」

人の声とは一度聞くと忘れないのは昔の商売の賜物か

「私が誰だか分るんですか?」

「記憶の底から甦えってきた気がする」

が、名前がどうしても思い出せないでりまさと。。。


----------3年前-----------------


「でりさん、面接希望の電話デスケレドデスガ、どうしますか?」

「じゃぁ今日の8時に事務所に来ていただいて」

「アイヨ〜でし」

面接希望でやって来た子は、自称18歳の
優希と名乗る女の子だった。

見るからに「女の子」という表現がぴったりの、目を細めてフィルターを掛けて見るとどことなく「後藤マキ」似の女の子だった。

「どうしてこの業界で働きたいの?」

「大学の学費を貯めたいからです。」

少し感心したでりまさと当時25歳

「でも、普通のバイトでも頑張れば学費くらいなら貯めれるんじゃない?オレもそうしたしね」

「でも風俗の方が稼ぎがいいから」

「稼ぎは良くても、悪い事もいっぱいあるよ、この世界は」

「例えば?店長さんに襲われるとか??」

感心したのを即座に取り消すでりまさと当時25歳

「それはない!」

「じゃぁここで働かせて下さい」

「わかった。それじゃぁまずあなたの身分を証明するものを見せて」

「持ってません」

「じゃぁ駄目だね。帰りなさい」

「いやです」

小生意気なヤツだが、ウチの雰囲気には合うかもしれないと思った。

「君まだ18だろ?そんな微妙な年齢は必ず身分証明がいるんだよ。じゃないと困った事になってからでは遅いからね」

「困ったことってなんですか?」

「そこの『オジサン』が鉄のワッカをかけられてネ、動物園ノ檻みたいなトコロに入るノヨ!」

横槍を入れる受付嬢麗華当時23歳

その麗華がこっちに来るようにと手招きをする。

「でりサン。あのかばんヨク見るアルョ〜!」

小声でささやき指を刺すカバンをよく見る

「・・・。サンキュ麗華」

「優希ちゃんて言ったね?もう遅いから帰りなさい」

「子供扱いしないで下さい!」

「子供やん。。」

「子供じゃありません!」

「明日も『高校』だろうが。早く帰っておねんねしなさい!」

言葉を失う優希

「あのねぇ、君のそのデッカイかばんの中に入ってるのは何故かまたカバン。。。しかもそのカバンはどう見ても高校の通学カバンだろ??
おじさんの目は節穴じゃぁないんだよ!」

節穴だらけのでりまさと当時25歳は節穴じゃぁない受付嬢の眼力に助けられた。

「明日また来ます」

優希はその日はそう言って渋々帰って行った。

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