デリヘル人情劇場 『放免桜』 ♯16
2003年7月6日午前9時43分
12両の客車が連なる【特急 富士】が別府駅の構内へと入った。
日々時間に追われ過ごしてきた私にとって、この9時間の旅は精神衛生的にもとてもよい旅であった。
ホームに降り立ってもまだ列車に揺られているような錯覚を覚える。
目的の旅館に行くには少々時間が早すぎる
朝食を駅前の喫茶店で軽く済ませ、別府市内の由緒ある外湯にでも浸かろうと考えた。
明治12年に新築され、その後改築を重ね、明治35年に木造瓦葺の共同温泉が完成したという「竹瓦温泉」。
当所建築の時は、竹屋根葺きの浴場であり、これが瓦葺きに改修されたため竹瓦温泉との名称がついたという。
このレトロな温泉を見るとすぐにピンとくる。
温泉と風俗は切っても切れない関係である
一般的に「ソープランド」と呼ばれている風俗店は、営業六法、公衆浴場法1条1項という法令の元で営業がなされている。
ようするにソープは「お風呂」なのである
目的の温泉に近づき、付近の筋を野性的本能で見渡す。
「二本目の筋だね・・・」
予想通り、その筋を曲がると狭い路地に風俗店の看板と軒先に立つ呼び込みのボーイが目に入った。
「お客さん!若い娘イケますよ!
お客さん!すぐのご案内です!お客さん!」
呼び込みのボーイは全国共通の決まり文句で話しかけてくるのである。
手で「いらないよ!」と合図だけをし、路地を通り抜けた。
一体日本全国でどれほどの女性が風俗というワケアリな世界に身を委ね暮らしているのだろうか・・・?
そんな事を考えていると、ふとBrutusの面々の顔が浮かび上がってくるのであった。
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