満州での思い出

2002年12月5日

ぅお〜〜〜。今日は寒いしやってらんねぇ〜ぜぃ!
久々に悩める乙女ドトつんちっくに始めるかぁ!

パンの生地に襲われそうになる夢で目覚めた2時半。

パン生地に魘されてどーすんだぁ!なんて自分にツッコミを入れ、
枕に右ストレートを御見舞いしてやった瞬間

「ゴキッ!。。。」


猛烈に腰痛中のでり君です。

今日も元気にパンを6000個焼いて来まして、
その後は老人施設へと行って来まちた。

デリヘルやってた頃は「身障者デリヘル」といって、
身体の不自由な方の所へも行ってましたが、
今は先日も書いたように、老人福祉施設で習ったことを忘れないよう、ボランティアという名目ですが、こちらが勉強をさせていただいている身分です。

施設内には様々な方がいらっしゃります。
ご病気で麻痺が残ってしまっている方や、痴呆のある方、言葉が思うように話せない方、そのような方々の介護や介助のお手伝いをさせていただいているのですが、とても深い仕事であることが日に日に分かってきます。
机に向かって習うことと、実際に現場に触れてみて学習することの差は歴然としています。教科書で習うことが役に立たないという訳ではなく、しかしそれが答えであるということでもない。一人一人に今まで歩んでこられて積み重ねてこられた人生があり。スイモアマイも経験されてこられた先人。接し方にも気を配る必要が多大にあり、尊重すべきものがあります。そんな中で、自立に向けリハビリに励む方を支援し、また今後残された人生をどのように送ればよいのかを迷い思いつめる方々の話し相手になったりします。

以前、私が福祉に興味を持った理由を、
風俗の仕事と福祉の仕事に接点があるから
と書いたことがあります。

そんなバカなこと言ってるんじゃないよ!とお叱りのメールを頂いコトもあったのですが、今もその言葉を撤回する気はありません。

その時に、風俗の世界も福祉の世界も

見えないものを見る仕事だと書きました。

この辺りの感覚は閉塞された世界というものを経験してみなくてはわからないでしょうが、今でもやはり福祉という世界も風俗も 「見えないものを見る世界」 だと思っております。


昨日はご老人の話し相手ということで施設に入っていたのですが、とても面白いお話を聞きました。利用者さんのプライバシーを守らねばならないという事から、いつものように事細かに書くことは出来ませんが、

その方が若かりし頃、16歳で旧満州へと渡られたそうです。
その満州で、その方は今で言う風俗の仕事に就き終戦間際まで働いていたそうです。
当時の満州は金に溢れ、かなり大きな金を手にし日本へと引き揚げてこられたそうです。しかし日本に帰って来てからは、そのお金には一切手をつけずに今日までこられ、今後はそのお金で入居型の老人施設へ入所され、家族に迷惑を掛けることなく自分の余生を送りたいという話を長時間に渡り話されてました。

自分も風俗をやってましたとは言えませんでしたが、何故かそういう方とめぐり合う運命なのか(笑)

デリヘル人情劇場に書き直すと1ヶ月はもつのではないかという程の話。
まぁ職員の方がこんな話を聞いてあげる時間なんてないので、暇つぶしには私はもってこいだったのでしょう。

風俗にしても、福祉にしても、お金を貰って働く時点で「情」と言うものはすべて排除します。
「情」が自分の命取りになるから。
ボランティアという名目であるからこそ聞けた話。

いつか日記で彼女の人生を書きたいですNE。



どの業界にも『隠語』といものが存在しますね。
例えば、
【おかる】なんて言う言葉ご存知ですか?これは某大手スーパーにて使用されている隠語で、意味は【万引き】です。

【発1】なんて言葉もありますね。
これはサラ金業界で使用される隠語で、意味は一度目の返済日に返済しない客を指すのに使われます。

風俗業界にも隠語というものは幾つか存在します。
今日はそのあたりのお話(曖昧な言い方ですが)でもしましょう。

デリヘルという風俗は、他の風俗よりも客の個人情報を詳しく持つことが出来ます。
なぜなら、デリヘルは8割近くが客のご自宅へと行き、サービスを提供します。
それゆえに、自宅の住所、電話番号の確認をするわけですので、
たとえ客が毎回名前を変えて電話をしてきても一発で履歴が出てきます。

その情報は事細かに記録をし、一度伺った女性がもう一度行くことが無いように、
また、客の好みのタイプや、性癖も記録しています。

その情報は、毎回受け付けから各男性ドライバーへと伝えられ、風俗嬢に伝わるのです。

忙しい時間帯などは、受付2人で10人程度のドライバー、風俗嬢に次の仕事の場所、客の情報を次々に伝えねばならないために、長々と情報を伝えている暇がないのです。

そういう時には略語、隠語を使用します。

また、女性がお客の部屋に入り、INコールをしてきたときに受付フロントに客の情報を伝える時や、逆に店から客の部屋にいる女性に伝達事項のあるときには、お客が傍で電話を聞いていることも想定できるので、隠語を使用します。


「ブルームヘル客、ゼットユーでよろしく」

これでドライバーとの意思疎通は完了します。
意味分かりますか?
これは、

「この客はうちの店だけじゃなく、あちこちの店も利用している客なので、サービス濃厚でウチの常連にしてね!でもずうずうしい客で、注文色々付けてくるので注意するように!」

なんて意味になります。
語彙で分けると、
『ブルーム』『ヘル』『ゼットユー』という3つの隠語で構成されています。
1つだけご紹介すると、『ブルーム』というのは、『あちこち浮気をする』という意味です。これを風俗嬢の横で客が聞いていてもまず絶対に分かることはありません。

次に、
「ギアシック アールプラムおまけにハードの気アリ。クリアネック注意されたし!」

絶対にわかんないデスね
急いでいる時なんかは、

「ギアシックアールプラムハード、クリアネック注意」

くらいまで省略します。

意味は、「この客性病の疑いが多々ありますよ。淋病に梅毒、硬性下かんの気まであるので、要注意です。クリアレックス(強力殺菌消毒石鹸)にて厳重に殺菌、陰部観察をして、フェ●チオの際はゴム着用にて十分に注意して下さい。」

なんて意味になります。
梅毒はプラム(梅)、ギアシックは性病って意味を持ってます。


まだまだ色々な隠語がありますが、気が向いた時にでもご紹介します。
今回はまさしく風俗業界の裏側でした。

もうその後は言うまでも無く麗華の独壇場であった。
部屋に戻った二人は、またもやリビングに居る私と母上様に聞こえるように
大きな声で残りの時間を思う存分楽しむのであった。。。

その声を聞いても
「あらまぁ♪」
くらいの反応しかしない母上様は性に関する理解が寛大なのか、
はたまた感覚が麻痺しているのかは定かではない。
二人を待つ間、母上様は私に様々なご自身の考える「性教育」に対する思いを
私に熱く語られたが、その辺りは今は記憶に残ってはいない。
母上様がお考えになっているその「性教育」が正しいのか否かは分からないのだが、母の居る屋根の下で風俗嬢と平気で楽しめる息子が居るということは事実であり、親子関係が上手く行っていると言えば行ってるのである。
そんなことをいちいち考えていれば、風俗業なんて商売は出来ないわけであり、我々は自らの身を売り対価を頂ければそれでいいのである。

「親分サン。麗華ナンダカ色々考えちゃったデス。
帰りにおかさんサンにアリガト言われたノ ヘンな気分デシタ・・・。
タカシチャン女のハダカサワッタのハジメテいてたデスョ。
おかさんデンワして、麗華行って、タカシチャンハジメテ女サワル
コレ正しいコトデスカ?
麗華なんだかカナシ気分デス・・・。」

帰りの車の中は何故かしんみりとした雰囲気に包まれた。

「正しい正しくないは、あの親子が判断すること。俺らがどうこう言うことじゃぁないよ。
彼がこれから色々な経験を積んで、女性とも知り合って行く中で
自分の育った環境や、道を正しかったと思えば正しいし、間違っていると思えば
それを直してゆけばそれでいいのじゃないかな・・・。
間違っているって思いながらも進んで行ってしまうのが一番間違った道なんだよ」

そんなことを言ったのをうっすらと覚えている。


その後も【Brutus】には何度か母上様からお電話を頂き、参上した。
そして浪人をしていた彼は大学合格とともに関東で一人暮らしを始めると言い、母上のもとを離れて行き我々が彼の所へお邪魔することは無くなったので、その後彼がどのようになったかは知るところではない。今頃大学3回生くらいだろうか?
一人暮らしの寂しさに今日もデリヘル嬢を呼んでいるかもしれない・・・。


おわり。



"タカシちゃん"はソファーにゆっくり腰を掛けるとペコリと首だけでお辞儀をした。

「私の横に居るのはレイカと言います。今日は宜しくお願いします」

明らかにバツの悪そうなタカシちゃんはもう一度レイカに向かいペコリと頭を下げる。
こちらもかなり『バツ』が悪いのだが、母上様だけはどうやらご機嫌がよろしい。

「タカシちゃんもお勉強ばかりじゃ頭が偏屈になってしまうゎ。
今日は社会勉強と思って色々経験なさいね。」

我々は社会学習の教材と言ったところであろうか・・・。

「それでは時間も時間ですので、レイカと一緒にお部屋へ行ってもらいましょうか。
後は彼女におまかせしましょう。お母様、よろしいですか?」

お母様はレイカにくれぐれもよろしくと丁寧にお辞儀をし、
タカシちゃんに「がんばって!」と励ましの声を声を掛けるのである。

腹を括った麗華はタカシちゃんの手を取り、隣の部屋へと消えてゆく・・・。

「それでは私は外で待ちますので」

そう言おうとする矢先にお母様は
「温かいお茶を入れ直しますので、どうぞおくつろぎ下さい」
と台所へと消え行くのである。
くつろげる訳がない・・・。

「実はね、タカシちゃんのお部屋を掃除してましたらね、あの〜なんて言いますの?その〜エッチな雑誌というものが出てきましてね、私も理解はある方なのですが、それがもう沢山その〜なんですか?エッチな本が出てきましてね、わたくしなんだか怖くなってまいりましてねぇ。タカシちゃんのお勉強に差し支えがあるんじゃないかしらって・・・。もうそちらに頭がいってしまって、お勉強に支障があると単身赴任中の主人に私が怒られますし、タカシちゃんにヘンな虫が付いて悪い道に行ってしまいますとそれこそ困ってしまいますゎ・・・・。
ですのでお宅にお電話させて頂きましたの。そちらでしたら『お金』で後腐れなくしていただけるのですゎよね〜」

たしかに我々はお金を頂き、男性方の『欲望』を満たす。
後腐れももちろんない
が・・・
ここに来ているのは当店自慢の「クレーム処理班」
プロ中のプロの風俗嬢である。


「きゃぁ〜!タカシさんのオ●●●ンって大きいわねー!」

あぁ・・・。また始まってしまうのであります。
うちのクレーム処理班達は、私と同行で仕事に向かうときには『必ず』ワルノリをする。

普段なら絶対に男性の耳元で話すような会話がなぜかリビングにこだまする。

「いゃ〜ん!タカシさんのえっち〜!」

母上が脳震盪にでもなって倒れてしまわないかドキドキする。

「そこは  あ・と・で(はぁと)」

そんな台詞をでかい声でしゃべるヤツなんている訳がないのである。
麗華はリビングに居る私と母上に聞こえる様に言っているに違いない。

「いゃ〜。息子さんもお元気そうでなによりですねぇ〜」

こんな事を真面目な顔をして話している私を想像して楽しんでいるのだ。


そうこうしていると、パンツ一丁のタカシちゃんとバスタオルを一枚巻いた麗華が部屋から出て、風呂場へと向かうためにリビングを通り抜ける。

母上様はまたもや
「タカシちゃんガンバッテ」
なんてわが子が風俗嬢と風呂へ向かうのを応援するのである。

どうやら私のキャパを超える勢い・・・。
どう考えてもこの家は、世界でも稀に見る居空間になりつつあるようだ。
ぃや。確実になっている。

麗華もついに思考がすっ飛んだのか、

「お母サマ。まかせてクンサイ」

なんていつもの口調に戻ってしまっている。

「クンサイじゃなっくって、それを言うなら『くんなせぇ〜』だろぉ」

そんなツッコミを入れる余裕さえないのは言うまでもないのである。。。






え〜。本日は12月も3日の火曜日です。

皆様こんばんわ。
少し更新が滞っております。むむむぅ・・・

実は現在、ホテル勤務の後 昼3時頃からとある老人福祉施設でボランティアをさせていただいておりまして、変態気味に疲れております。

バイトでもよかったのですが、今の職場のホテルのパン工房が仕事の掛け持ちに結構うるさい事と、福祉職員と言うには私自身があまりにもひよっ子なために、ボランティアという形で施設には受け入れて頂きました。


驚くほど充実した毎日ですが、驚くほど疲れが溜まって来ました(爆)
体中湿布だらけだし。。。
といっても、疲れのピークは脱したので日記のUPなんかもしてみたのですが、
今日は新しくリンクを貼っていただいた皆様へのメッセージのみでご勘弁下さい。

福祉の現場を体験し、その大変さと、思ったよりも大きな責任感が実感として分かってきた今日この頃。ボランティアしといてよかったと思っとりま♪


現在一日17時間労働 デリヘル時代の労働時間に戻りつつあります(ぷぷぷっ)

デリヘル回想日記は明日より再開の予定です。
秘密日記にてメッセージを頂いてる返事も明日に書きます。


今日の一言 『人類みな兄弟』
BY笹川会長


では皆様アディオス!


立派な一軒家の玄関に現れたのは、紛れも無い

『ママ』

であった。

「まぁ遠い所をわざわざありがとうございます。
さっ。どうぞお上がり下さいませ。
あっ。そちらの男性もどうぞお上がりくださいませぇ〜。」

その言葉にいち早く反応を見せた麗華は、がっちりと私のジーパンのベルトを掴み、先に入れとグイグイと押すのである。あくまでもドライバーとしての仕事は、お客の家の前まで風俗嬢を連れて行く”まで”である。

「それではお言葉に甘えまして、失礼します。」

麗華はそう言うと、私を盾にするような格好で家の中へと進んで行く。

「こういう事は後先もう2度と無いんだから、観念して下さい」

そう耳打ちされ、しぶしぶ室内に入る。


「どうぞそちらのソファーにお座り下さい。
今、お茶をお持ちしますので〜」

これはまさか何かの罠ではないだろうか?
客となる男、いや『息子』の姿は何処にも見えない。
母親がわが子のために『風俗嬢』を呼ぶであろうか?
いったいどんな『息子』が出てくるのか?
あくなき探究心と好奇心が徐々に染み出てくる。

おそらくこの家は『鉄筋コンクリート』というヤツだろう。
20畳はあると思われるリビングには、何やらガラスの壺やら立派な額縁に入った絵 ぃや、絵画が飾られている。そんなお宅である。もちろん運ばれて来るのは「煎茶」ではなく、「お紅茶」 その脇に添えられるのは、「せんべい」ではなく、「おクッキー」である。

リビングのソファーに座る風俗嬢と店長。
そのテーブルの向かいにはなぜか「ご婦人」

あまりにも「イレギュラー」
なんという3ショットなのか。。。
この訳のわからない状況を打破すべく、口を開いたのは麗華だった。


「麗華と申します。 あの・・っ。私でよろしいでしょうか?」


客の所へ行き、まず聞くことは自分でよいのか と言う確認である。
マニュアル通りに話す麗華だが、何かが違う・・・・。

『ママに聞いてどうする!』

こころの中でツッコミを入れるが、口には出来ない。

「えぇ。麗華さんて言うのね。ずいぶんお綺麗ですこと。結構ですわよ」

『あんたも答えてどうする!』

これも口には出来ない。
いったいこれは何の会話であろうか・・・

「あのぉ・・・・。で・・・。息子様はどちらにいらっしゃるのでしょうか?
お連れした女性で納得していただけるかを、ご本人様に確認していただきたいのですが」

笑いが込み上げてきそうな雰囲気を押し殺すべく、いつもより低音な声でしゃべった。


「あっ。ご心配はいりませんょ。こちらの方で申し分ありません。
息子はそちらのお部屋におりますの。
呼んだほうがよろしくて?」

そう言うと、ママは息子の部屋をノックし

「タカシちゃ〜ん!一度お部屋から出てきてご挨拶なさい!」

とタカシちゃんをリビングに呼びつけた。

リビングに現れた「タカシちゃん」は想像通りの
「ぼく趣味は勉強だもんね!」的な青年であった。
つづく。。。
秘密は30日にあります☆
他の従業員から盛大な拍手で送り出された麗華嬢は、車に渋々乗り込みお客様の下へと向かう。普段は超高級ホテルや有名人、著名人という方々の下へと向かう時にしか出動させない車 おベンツの『デリヘルでり太号』をわざわざオーナーのガレージから出動させた。せめてもの「餞(はなむけ)」である。

しかし車内での麗華嬢の不安は募るばかりである

「でりサン。コイウお客サン日本語デ "マザコン" て言う麗華シッテルよ・・・。麗華ボンテージ着て男のオキャクさんムチでタタク、オシッコ見せてくれ言うオキャクサン見せるOK。ガマンするデス・・・。デモ・・マザコン怖いネ。女 マザコンノオトコだけはダメネ・・・でりサーン」

これほどうろたえる麗華も初めてである。
しかし、こちらとしてはかなり面白いのである。

「住所は一軒家になってるけどさ、もしチャイム鳴らして出てきたのがその息子じゃなくって、ママだったらビビるよなぁ〜。どうぞお上がりアソバセ〜なんて言ってよぉ。怖すぎだぞそれって」

「ママさんの居る部屋のヨコで麗華息子サンとスルテコト!?ソナノムリニキマテルデジョー!麗華カエルですョ・・・。アリエナイゴトデスーッ」


「男性客2人の部屋に女性1人が行くってことは絶対にさせないけどなぁ。でも保護者同伴という場合はどうすればいいのか分かんないなぁ・・。だって数で言うと、男性1人に女性が2人ってことだからなぁ・・・。理屈でいうと違反ではない ハハハハッ ま、それも麗華の勲章が増えるってことでいいかもしれない」


「もう麗華 ココロ泣きたいァルヨ・・・」



冗談が過ぎてしまったらしく、麗華はそれっきり黙ってしまった。
しかし、そこは当店初代のクレーム処理班である麗華だ。
客の家に近づいて来ると、受付の麗華ではなく『風俗嬢』の麗華へと変わってゆく

「え〜い!!もうこうなればマザコン男であろうと、どんな変態客であろうと、何処からでもかかって来い!麗華がささっと相手してやろうじゃないの!」

先にも書いたが、この麗華、客と接客する時は綺麗な標準語で話すのである。
普段は男性従業員はお客様と顔を合わせることはないのだが、
なにゆえ今回はイレギュラーである。
自宅の前に車を止め、麗華と共に玄関の前に並びチャイムを鳴らした。


「あのぉ。お電話頂きましたお店の者ですが」

落ち着いた風俗嬢麗華の声にインターホン越しに帰って来たのは


「少々お待ちくださいませ〜」

という電話をしてきた主と同じ声であった・・・

「まぁ遠い所をわざわざありがとうございます。
さっ。どうぞお上がり下さいませ。
あっ。そちらの男性もどうぞお上がりくださいませぇ〜。」


アンビリーバボー!!

暗い闇夜には様々な人間が渦巻いているようでして

一本の電話が鳴ったのは、日も暮れやまぬ夏の午後5時頃だった

「でりサーン。メンセツキボーの人みたいでスー」

受付の麗華が電話を取り次いだ。
この麗華は中国人と日本人のハーフである。
鎌田という元刑事であり、当店【Brutus】の常連でもある男性が、
ある日突然連れてきた女である。

「好きなように使ってくれの」

通称「ののじい」と言う鎌田さんがそういい残し去って行き、うちで働くようになった麗華は、普段は受付嬢をしているのだが、人手の足りない夜は風俗嬢としても現場へ出る。
中国人である母の血を濃く引き継いだのであろうか、麗華は細身で足もすらっと長く目を疑うほど顔も小さい。店の仲間や私と話をする時には“変”な日本語で話し、従業員の間でも人気者なのだが、受付での電話対応や風俗譲として接客を行う時には端麗な日本語を話す。

「今カラ来てホシイイテルですょ〜。オバチャンみたいなコエネ〜
出張メンセツでスカね〜?ヨクわかんないょ〜」

店は今からが稼ぎ時に入るという時間。ただの面接希望ならまだしも、出張面接に来てほしいと言うのは全く風俗のことが分かっていない女性か、はたまたよほどの自信満々な風俗経験者であろうか?そんなことを思いながら麗華から電話を受け継いだ。

「もしもし。お電話変わりましたが・・・」

「あっ。今からお一人お願いしたいのですが」

「えー。面接希望ですか?」

「え?ですから、今から一人お願いしたいのですが」

「え?面接希望の方ですよね?」

「え?私がですか?   え?違います。一人お願いしたいのです」

「あっ・・・。申し訳ありません。あの〜うちはレズ向けのコースはやってないのですが。」

「あっ・・・。私ではなく、家の息子に一人女性をお願いしたくお電話差し上げたのですが」



「・・・・・・え!?・・・・・・あぁーえ〜・・・・はぃ。
少々お待ちいただけますか・・・・・・・。」



最初はこの女性の言っている意味が全く理解出来なかった。
むしろ、出来ないのが正常であり、事の意味を理解できる方が異常である。

「あっ。もしもし。  あの〜・・・。  お客様がうちの女性と遊ばれるのでは無しに、お客様のご子息様がうちの女性と遊ばれる という事でよろしいのでしょうか?」

「えぇ。そうです」

うちには普通とは少し違うお客の所へ行く『クレーム処理班』と呼ばれる女性が存在する。
この【Brutus】開店当初から在籍する、あかねという女性。彼女はノーマルなプレイから、アブノーマルなプレイ、少々怖い関係とおぼしき方々からマニアなお客までを完璧に操る。そのような『イレギュラー』なお客や、チェンジを繰り返すお客、クレームを付けてくる客の下へと出動するのが『クレーム処理班』なのである。
しかしあいにく、あかねは本日完全公休日だ。

ことの成り行きをオンフック状態のスピーカーで聞いていたもう一人のクレーム処理班が受付の電話口から逃げ出そうとしていた。

「わかりました。では一時間以内にご自宅にお伺いいたします」

電話を切ると隣部屋の仮眠室に隠れていた麗華を引っ張り出す


「麗華ヤデスーー!でりサン!麗華ヤダーよ!ヤダーーァルーョ」

5時という時間は午後からの早番の女の子が事務所に出勤してくる時間帯でもあり、この電話を一緒に聞いていた女性陣やドライバーは笑っている。自分に降りかかってこない他人の苦難ほど面白いものは無いのである。

つづく

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ホームページの『デリヘル人情劇場』を
リニューアルしました ぅふ
今回のコンセプトは「映画のような」です。
自己満足に浸っているでり君ですが、
覗いて見てほしいです。
デザインの感想求む!(匿名可)


 

 どうもこうも私は飽き性なのでしょうか?すでにホームページのTOPが気に入らないのか、作り直したい気分満点なのであります。仕事の昼休みには大学ノートになにやら設計図のように図面を引いていると、おぉ!君はなにか!?元何かの技術者か?なんて言われ、さすがに元デリヘルやってました!などと言えるハズもなく、専門職です なんて言ってみたり・・・。しかも書いてるのは、ホームページのタグと図案だったり・・・。知らない方がHTMLのタグを見ても何一つ理解不能なのでしょう。

 さて、普段は某ホテルのパン工房で釜の番人などと煽てられパンをせっせと焼いているでり君なのです。本日も死にもの狂いで4000個のパンを一匹で焼き上げたのですが、明日の工程表なるものを見てみると、週で一番少ないはずの水曜が、ドドッと7500個などと言う、現実逃避したい数が書き込まれておりました(滝汗)。一つの鉄板にパンの生地を8〜10個のせ、その鉄板を一度に24枚 釜(オーブン)に投入いたします。釜は三段に分かれており、時間差攻撃で投入してゆくのです。要は常に72枚の鉄板×8個=650個ものパンに目を配り、一種類ずつ焼き時間の異なるパンの焼き加減に猛烈な神経を注ぐわけです。それが明日は11セットもあるじゃあ〜りませんか。。。それプラス、隣にある別の釜で食パン100斤とフランスパン200本を焼きつつ、その他もろもろ500個のデザートパンなるものも待ち受けておるのであります。それを朝6時より焼き始め、午後12時までに焼き上げねばならんのです。。。そして3時からは福祉の学校の実習で、とあるマンションへと入浴介助に向かわねばなりません。こんな充実してる自分ってステキやん♪なんて伸介風に言ってみても、単なる気休めか・・・。そして家に戻ると風俗回想日記を綴るのであります。

 最近の唯一の癒しは銭湯ですかな。。。サウナに20分も入っていると、何かを考えようとしても、思考能力君が劇的にダウンし、何やらサウナにいるはずがジャングルに見えてきたり、隣のおっさんがゴリラに見えてきてスチャラカ笑えるのであります。サウナから上がると水風呂に一目散に走って行き、ダイブなんかしてみたりして、またデッカイ子供が暴れとるわい!なんて77歳というめでたいじいさんに罵られ、おわびに背中なんかを流してさしあげるのです。最近やっと銭湯の常連の皆さんにも顔を覚えていただき、おぅ若いの!帰りに一杯やってくか!なんてお誘いまで頂けるほど馴染んで来たのですが、帰りに一杯!の一杯とは酒でなく、銭湯から程近いラーメン屋でラーメンを一杯という事に気が付いたのはごく最近の事であります。

 今後のでり君は、年明け早々にはホテルは寿退社する予定であります、しかし寿退社といっても、私が結婚する訳ではなく、友人の結婚に便乗して辞めるという超身勝手な退職であります。その後は?というと、福祉の資格を生かして、どこぞの施設に入所することが決まりました。入所といっても、もちろん私が入所するのでなく、職員として働くのは言うまでもありません。予定としては福祉関係でわが人生の大半を過ごす予定であります。そして五十を過ぎた頃にでも、自分の城といいますか、自分の腕ひとつで私の愛する第二の故郷 長野県の山奥にでも 今までの経験をフルに生かし、ヤクザ様も体の不自由なご老人にも疲れきった風俗嬢も、もちろん健全なる皆様にも満足いただき、朝は焼きたてのパンで始まる、「こころの旅」をしていただける宿屋を開業するのが私の唯一の夢であります。
最近リンクをしてくださった方が増えましたので、本日は久々に滅多と見せないでり君の素性&実生活でした。
これからも皆様どうぞよろしゅうにm(__)m



今日の晩ご飯は
☆一人豚の水炊き

作り方
白菜、豆腐、きのこ等をブツ切りにし、
沸騰した昆布出汁に投入。
野菜が煮えたら豚を入れ、
豚に火が通るとポン酢で頂く
という難度5の夕食ですた。。。


%%%今日の気まぐれ川柳%%%


パン焼いて
頭の中が
パンパンだ


露天風呂
紅葉ひらりと
仲間入り

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さて明日は火曜ではないのに 
火曜サスペニス劇場『超マザコン男』その1 です。
前代見物のマザコンぶりを見て頂戴!
てなワケでさようなら♪

『全裸の男と少女』


ある浜辺で素っ裸で日光浴を楽しんでいる男がいた。
すると、前から小さな女の子が歩いてきたので、
彼は、読んでいた新聞で彼の大事な部分を覆ってしまった。
女の子は、新聞一枚の彼に不思議そうに尋ねた。

「ねえ、ねえ。そのしんぶんの下には一体、何があるの?」

返答に困った男は、ひとまず無難に答えた。

「ん〜、鳥さんだよ。」
「ふーん。」

女の子が彼の前を立ち去るのを見て、彼は安心して深い眠りについた。
しばらく経って、彼は信じられない苦痛によって目が覚めた。
男はどういう訳だか病院のベッドに寝かされていた。
目覚めた男に対して、傍らの警官が彼に尋ねた。

「どうしてこんな事になってしまったんですか?」

「どうしたもこうしたもあるもんか。向こうの浜辺で、
女の子の質問に答えて眠ったらこの始末だ。女の子に聞いてみてくれ!」

男の訴えを聞いて早速、警官は浜辺で女の子を探した。
ほどなくして彼は、一人の可愛らしい女の子を見つけた。
警官は、少女に優しく尋ねた。

「お嬢ちゃん、ここに裸の男の人がいたでしょう?
その人に何をしたのかな?」

女の子はちょっと間を置いて答えた。

「あたしね、とりさんと遊んでたの。」

女の子は、不思議そうな眼差しの警官に言った。

「そしたら、鳥さんがあたしにつばを吐きかけたの。」
「唾を?」
「だからあたし、鳥さんのくびをへし折ってやったの。」
「で、それから?」

警官の問いに、女の子は怒った様子で言った。

「2つあったたまごを割って、鳥の巣に火をつけてやったわ!」

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-


「髪を切った男女」

女性が髪を切った後

女性2:「あら、髪を切ったの!、とっても似合うわよ!」
女性1:「本当にそう思う?」
女性2:「どうして?」
女性1:「実は、鏡に映った自分の姿が気に入らないの。」
女性1:「本当は、お世辞で誉めているんじゃないの?」
女性2:「ううん、そんな事無いわよ!うらやましいわ。」
女性1:「うらやましい?、何が?」
女性2:「だって、あたしもその髪型にしたいんだけど・・・」
女性2:「わたしは、顔が大きいから全然、似合わないから。」
女性1:「なに言ってるの!」
女性1:「同じ髪型にしたら、あなたの方がずっと魅力的だわ!」
女性1:「それよりも、この髪型にしたら、わたし・・・」
女性1:「長い首が目立ってしまって、とても恥ずかしいの。」
女性2:「ヤだ、何いってるのょ〜!」
女性2:「わたしは、あなたのその細くて、長い首に憧れてるのに!」
女性1:「ねえ、それって、からかっているの?だって・・・」
女性1:「わたしは、あなたのそのか細い肩に憧れているのよ!」
女性1:「この、わたしの腕を見て。」
女性1:「もし、わたしがあなたのような肩を持っていたら・・・」
女性1:「もっともっと、気に入った服を着れるのに!」











男性が髪を切った後

男性2:「おっ、髪を切ったのかい!」
男性1:「ああ。」


おちまい
毎度毎度まとめてUPしてすみません。
25日から、24日、23日と続いてます(汗)
秘密日記は23日にあります。

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シホはひとしきり泣き、やがて大きくフゥーーと深呼吸を1つ打つと

「あぁ〜久しぶりに泣いた!私もまだ生きてるみたいです」

と勤めて明るく振舞った。
「やはり物語なんですね」

「え?」

「いえ。何でもありません」


突然何の脈略も無いこの言葉に、なぜかはっとしてしまう。
どこかでこの言葉、この場面を経験したことがあったような気がした。
デジャブであろうか?
この言葉の意味を思い出すのは、これより何時間も後のことであった。

「私だって本当は人と同じように色々な所にショッピング行ったり、遊園地とか行きたい。子供の頃はもちろん両親とお出かけした記憶もないし、施設の頃も遠足にいったくらい・・・。家を飛び出してからは、ミナミの繁華街かキタのネオンの下しか歩いてないし、風俗で生きていくって決めたから、今の自分に後悔はしてないけど、これからは少しは普通の生活もしようって思ってます。もう援助もしないし、シンナーもしない・・・。今までやっていた事は、自分が一番嫌った父と同じことをしていただけってやっと気が付いたから。だからしばらく自分と会話する時間をもって、ホテルに閉じこもって・・・。でも手持ちが200円じゃもう限界でしょ」

美人系というよりはかわいい顔立ちのシホは未だ少しあどけなさの残る顔で、笑顔を取り戻し
今までの自分やこれからの自分を話した。

「どこか行ってみたい所ってあるの?」

ん〜。しばらく考えシホは

「六甲の夜景っていうのを見てみたいです、関西に住んでるのに本当に何処にも行ったことないもん。すごい綺麗なんですよね?」

「じゃぁ今から行ってみる?」

「ホントですか!行きます!」

私は無線で麗華に連絡を取った

「れいかー。事務所に戻るのはもう少し遅くなるけど大丈夫?」


「どうぞごゆっくりドゾー。レイカ今 夜食チュウデシィー。親分ノモ食べていいでヤンスカー?部屋綺麗カタズケOKデシデシ いつでも帰ってキテオクンナセェー」

今夜はさほど忙しくない様子なので、六甲にまで足を運ぶ事にした

---------------------------------
下に続きます




シホは一時間近く神戸の夜景を見ていたであろうか・・・
外で彼女が一人夜景を見ている間、さっきの一言のことが気になって考えていた。だが、思い出せそうで一向に思い出せない。

麗華に無線で彼女の情報をとりあえず聞いてみることにした。

「麗華よー。本名でサカシタ シホって名前、リストに載ってるか調べてくれる」

「アイヨー。シバラクお待ちクンロー」

ここで言う「リスト」と言うのは、
風俗店数十店により作っている組合のようなもので、極悪客や極悪店の情報交換、店に対して重大な過失を行った風俗嬢、例えばバンス(風俗店に借金をすること)をしたまま逃げた女や、あまりに過ぎるトラブルを起こして去った風俗嬢のリストなどを互いに交換するのである。要するに風俗界の「ブラックリスト」自己防衛のためのリストである。


「親分サン。サカシタシホって名前出てマスヨー」

「出てる!?何で出てる?」

「えートラブルリストデシィー。キタの○○って店と△△ってミセから2ツデスー。内容ハ、店内ノ同姓従業員デノトラブルねェ。」

トラブルでリストに載るなんて事はまずない。
男性従業員とデキてトンズラをしない限りはトラブルリストなんてモノは流さない。なぜなら、女性同士のトラブルなんていうモノは、日常茶飯事に起こっている事。そんな事は店自身が解決する問題で、外に流す方が店自体の信用を落としかねないのだ。

そんな事をわざわざ流すと言うことは、店がワザと流している様にしか思えなかった。リストで流せば、どこかの店にシホがやって来てリストにかかり、その店は警戒してシホを取らない。要は締め出しをしているのではないか?

ウチはトラブルリストに関しては、それを入店の基準には一切しない。

それよりも気になったのは、○○という店名だった。
○○は箱型店舗、
いわゆるヘルスという名で知られる店で、かなりの大手。

この店も組合に加入していたとは・・・
この店でシホは働いていたのか・・・。
なぜ風俗でも流れ者が比較的集まるデリヘルにやってきたのか
収入だけで言えば、おそらく箱店の方が多いだろう

○○・・・○○・・・○○・・・・・・


あーーそうか!あの時の・・・

ずっと詰まっていたつっかえが一気に流れ去った。
点が線となって繋がった




すっかり元気を取り戻したシホが車内に帰ってきた。

「忙しい中、本当にありがとうございました。
今日のことは絶対に一生忘れません
こう見えても、私は義理堅いですよ」

義理と人情の店にすっかり染まりかけている【Brutus】にまた一人、義理を重んじる人間がやってきた。人情を掲げて店をやっている訳ではないが、なぜか皆似たものが集まってくるものなのである。

事務所に向かい走りながら、シホにしゃべりかけた。

「世間っていうのは狭いもんだなぁ・・・」

私のこの一言で彼女はもう悟ったようだった。

「そんなことないですよ。私は結構広いと思いました
だって私は3日間、何十、何百ってデリヘルに電話しましたもん(笑)」

「髪切ってたからわかんなかったよ・・・」

「髪は切ってないです。あの時はウィッグですよ
髪のせいにして、私の顔忘れてたんじゃないですか?(笑)」

「そんな訳ないっしょ、髪型のせいだって(笑)」


「まぁいいですけどね♪
私、はっきり言って○○に居た頃はテングでした。天狗になって、うざい子は蹴落として何が何でも1番になりたくて、もちろんいまでも1番になりたいっていうのはありますけど、もう誰かを蹴落としたり、ワザとトラブル起こしたりは絶対にしません。さっきも言いまいたけど、父と同じ事をしてる自分にやっと気が付いたので・・・。でりさんの店でトラブルを起こすような真似はしません。締め出しくらってるのは知ってますよ(笑)そんなのは気にしない店は幾らでもあります。でもこれは「物語」なんです。あの頃とは状況も違うし、遅くなりましたが、でりさんのお店で私を置いて下さい。よろしくお願いします」


そう、”あの頃” とは全くの別人としか思えない彼女がいた。

数ヶ月前に一度彼女とは会っていた
私がまだ店長ではなく、バイトで風俗店を手伝っていた頃、
何も知らない私は、オーナーに風俗嬢を一人引き抜いて来てくれと言われ、
有名な店に客として入り、その店のNO1を引き抜こうとしたのだった。
話を切り出した途端、シホは私の口を慌てて塞いだのだが遅かった
引き抜き行為が店に知れ、命からがら逃げた。
その時に引き抜こうとしたのが、このシホであったのだった。


店から逃げ出し、路地に隠れて血を拭いていた時に、店を終え、帰路についていたシホに又偶然に会ったのだった。

「店のNo1の部屋に盗聴器の1つや2つはあっても何もおかしくはないですよ。
この業界では常識なんだから・・・。
まぁ、引き抜きに会うのは気分悪い話ではないゎ。
これも何かの縁だから、飲みにでも行きます?」

たしかにあの時の彼女はかなりの高飛車であった。


「引き抜かれてノコノコ付いて行って、いかにも私引き抜かれてきました!ってのも面白くないでしょ。ましてや今、店辞めたら引き抜きに乗ったって思われるに決まってるし、私は今、題名の知らない物語に勝手に乗って生きているだけ。あなたの店に行く事があるなら、その時は私の物語に題名が付いた時、私の意志であなたの店に行くゎ。あなたの名前も、店の名前も聞かない。でも今日みたいに偶然がまた起きるかもしれないでしょ?この先何があるかなんて誰にも分からないんだから・・・


だってこれは物語だから・・・




これがこの後、【Brutus】のNO1となり、一月に信じられない金額を稼ぎ出すシホとの出会いであった。


11月22日分からの続きです。
先にそちらを読んで頂いた方がわかりよいです

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


ホテルをチェックアウトし終え車に戻ると、勘蔵さんが立っていた。
我々に気が付くと、勘蔵さんは股を大きく広げ言う

「こりゃぁ親分さん お疲れでやす。麗華お嬢さんに言いつけられやして、
念のためにここで待つようにと言われやして参りやした」

勘蔵さんのしゃべり口調に徐々に仁侠映画の世界に引き込まれつつある
【Brutus】なのだが、勘蔵さんはつい先日うちに来たム所帰りの老人。
いったいこの存在感は何なのであろうか?
 
「始めまして。今日からこちらでお世話になることになりました、
私 坂下志穂です。宜しくお願いします」

シホは勘蔵さんに丁寧に頭を下げた。
勘蔵さんはシホをしばらく見つめ、ぽつりとつぶやいた


「なんてぇベッピンな娘さんでぇ・・・・・。」


お得意の仁義を切ることすら忘れるほどまさに「見惚れる」といった感じだった。


勘蔵さんが乗ってやって来た車は無線車だったので、我々はこちらに乗り換え、勘蔵さんには私の乗ってきた車で帰ってもらうことにした。

この無線車は、店で麗華が電話での受付をしている様子がダイレクトに聞こえるようになっている優れものである。電源を入れるとすでに「勘蔵さん口調」にどっぷりとハマってしまっている麗華がドライバーに指示を与えている様子が聞こえてくる。

「あかねチャンの次ノイキサキハ タニマチキュウチョーメ ホテル○○デヤシィ OKデシカ?ヘイヘイこりゃーヨロシクデャシ」

片言の中国語が混じり目茶苦茶だが、機嫌よく仕事をしている様なのでよしとしよう・・・


「おもしろそうな人が沢山いますね〜」

シホはケラケラと笑っていたが、しばらすると自分の過去を話し始めた。


「私は5歳の時に両親が離婚して父親に育てられました。
離婚と言うか、母は父の元を夜逃げ同然で出て行き、それっきり一度も会ってません。父は私が物心ついた時には酒に溺れていて、幼いながらに母が出て行った理由はこれだなぁって分かってました。母の思い出と言ったら父に殴られていた事しか思い出せないくらいだから、いつも殴られてたのだと思います。母が出て行ってしばらくしてから、父は事件を起こして刑務所に服役することになって、でも私は少しホッとした。私も何度か殴られてたし・・・

私はそれから施設で暮らすようになって、そこでも何度かつらい目にも遭ったけど、今から思えば楽しかった。父からは手紙が週に1回は来てて、いつも反省しているとか、あたしに会いたいとかって内容で、私は父はちゃんと更正してるのだと思ってた。高校に入ると父が帰ってくることになり、父ともう一度一緒に暮らす事にしました。でも父は少しも変わってなかった・・・

それどころか、あの頃以上に酒に溺れて挙句の果てに私をレイプした・・・。私はすぐに家を飛び出して、それからはよくある話・・・グレて売春してお水やって、シンナー吸ってるのを見つかってクビになって風俗入って。
男が出来ても男性とどうやって付き合ったらいいのかわかんないのね・・・。男がいつ殴ってこないか不安で、でも誰かそばにいてくれないともっとダメで、だから男を私のもとに引き止めておきたくて、風俗で稼いだお金は全部男に貢いで・・・。

でもその男は他にも貢がせてる女が何人かいるのが分かったのね。バレても男はそれがどうした?って感じで「他の奴はお前よりも何万も多く貢ぐぞ」って言った。愛の大きさは金に比例するんだって思って、むきになって仕事して全部貢いで・・・。でももう疲れちゃって・・・私にはどこにも居場所がない・・・何を信じたらいいのかもわからない・・・自分を強く持てば持つほど自分が壊れていく」

シホは車の中で泣き崩れた


つづく
これまた頭悪そうなタイトルで登場しております
わたくしが『でり教授』でございます。はぃ。
早速ですが出席を・・・

とか書いてるこの時点で、頬に冷ややかな風を感じるのですが、いちいち気にしているとやってゆけないないのであります。え〜このコーナー(コーナーなのか?)では、風俗業界の異端児と呼ばれていたとかいないとか、というでり教授が人には聞けない、でも知りたい!というそんなHな疑問にお答えするというコーナーらしいです。んなもんいつもとちっとも変わってねえ!とか言わないそこ!そうなんです。ノノンノーンなのであります。関西人にしかわからないギャグも織り交ぜつつ、勝手に進行して行きます。普段は実体験主体の回想文で書いておりますが、このコーナーでは(やっぱりコーナーなんだ・・・。)正しい性の知識を身に着けましょう!てな具合で夜の営みにちょっとしたスパイスを♪みたいな事をご紹介するのであります。平たく言えば「雑学」ですか・・・。そう言ってしまえば身も蓋も無いのでございますが、やるのであります。ちなみにこれを知ってるからと言って、何一つ役に立つことなどありません。ありえません。そこがでり教授および、「日刊でりぃ新聞」のポリシー 生命線なのであります。

前置きが異常に長いのは、これを一日分の日記にしてしまおう!なんて下心からでは決してなく、

「最近お前の文章マンネリだよな」

なんて関西人の分際で偉そうに標準語でつぶやいた20年来の友人「N君」へのささやかなる抵抗なのであります。

さて、もちろんこれからもダイアリーノートにUPしたものをホームページに編集してゆくというスタンスは変えませんので、卑猥な表現および露骨な性表現は一切いたしません。あくまでも爽やかに参ろうという所存であります。それちょっとイエローカードじゃない?なんてものはご一報いただければ反省はおしみませぬ。あくまでも「エッチ」程度で行きましょう。

では「エッチ」とは、もともとどこから由来してきた言葉なのかご存知でしょうか?「エッチ」とは、「変態」のローマ字書き

「Hentai」

の頭文字『H』を取ったものと言われております。
この言葉は昭和30年代に流行した言葉なのですが、当時は「変態な奴」を「エッチな奴」と表現していた事になります。今とは少し意味合いが違っていたのですね。
今で言う「変態」とは、女装して銀行強盗をして捕まった犯人なんかも含め、公衆の面前でガオガオ!ピー!を披露してみたり、アブノーマルな場所での行為など、いわゆる「マニア」な人々を指す場合に「変態」と使うのですが、いまでは「セックスする」ことを「エッチする」と使いますよね。この意味の返還は、それだけ日本人がセックスに対してオープンになった証拠とも言えるのではないでしょうか?

最近はセックスの情報が氾濫しており、その主は興味本意に欲情を煽るものばかりで性の知識を正確に伝えるものは意外と少ないのが現状です。ここではある程度正確な情報、データを念頭に置き、お高く分かりにくい学校での”性教育”よりも楽しく興味を持って学べる

『人には聞けない、でも知りたい少しエッチな疑問』

に楽しくかつ真面目に解決しようという趣向なのであります。


では次回の講義でお会いしましょう。




暗い闇夜には様々な人間が渦巻いているようでして・・・


男が電話をしてきたのは日付けも変わり
午前1時を回った頃でした。

「○○ホテルで女の子呼んだ高木ですが・・・」

「本日あかねちゃんをご指名いただいた高木様ですね。いつもありがとうございます。まだお時間にはなってないようですが、うちのあかねが何か粗相でもいたしましたでしょうか?」

「いや、粗相なんてとんでもない。あかねちゃんはボクの天使だよ」

この客少々イタイお客である。

「そうでございますか・・・。では他に何かご用件でございましょうか?」

「あのね。ボクあかねちゃんに聞いたんだけど、店長さんはかなり気前がいいらしいね」

「有難う御座います。私、気前だけで生きているようなものです。・・・で?」

「あのさぁ。あかねちゃんとね、ポラロイドで撮りっこしたいんだけど。ポラロイド写真持って来てくれないかなぁ。あかねちゃんはいいよって言ってくれてるんだけど・・・。」

あかねはデリヘル【Brutus】で主にクレーム処理班として働いている。
普通の子では対処しきれない客や、好みにうるさい客がキャンセルを繰り返したりすると、
あかねがその客の元へ行き、接客をする。あかねが行くと、どんな客も大人しくなる。

「でね、今から店長さんにポラロイド持ってきてもらって、ボクとあかねちゃんをいっぱい撮ってほしいんだ」

この客かなりイタイ客である。

「私が撮影するのですか?」

「うん。あかねちゃんが店長に撮ってもらったらいいって言ってるんだ」

あかねと私はよくコンビを組む。
客の要望に答えるべく、二人で変な客の元へと行くのである。
あかねはどんなプレイにも嫌な顔1つしない女で、
過去にはただただ見られるのが好きな客の元へ行き、
あかねと客が絡み合っているそばで
「みてますよ〜」
と言う役をしたり、
ブラジャーとパンティを穿いて待つ客の所へ行き、
その男のケツにアナルバイブを突っ込みに行くなんて大役も仰せつかってきた
まぁそんな変態客に比べるとポラロイド撮影なんて「屁」でもない。

「わかりました。では今からそちらに伺いますので、しばらくの間あかねとお待ちください。で、お客様。一度あかねちゃんとお電話代わってもらってもよろしいでしょうか?」

客のデータを見ながらあかねに尋ねる

「おぃ。また何か企んでるんじゃないだろうな?高木ってのはM男か?ポラロイドはあかねが1ついつも持ってるだろうが・・・・。なんでわざわざおれに持ってこさせるんだ?怪しすぎなんだって・・・」

「大丈夫だって!早く持ってきてね!」

妙にハイテンションなあかねはそれだけ言うと電話を切った。

その2は18日分↓下にあります
秘密も18日分
すぐに支度をしてホテル○○に向かった。
部屋をノックすると、あかねが出てきた。
部屋に入ると、筋肉隆々の男高木氏が椅子に座っている。
普段客とは電話での受け答えしかしないので、客本人と顔を合わせることはまずない。電話では「ボクは〜なんだぁ」とひ弱な声でしゃべる高木氏は、私のイメージではか細いタイプのM男君と思っていたのだが、伸長は180近くあり筋肉質な青年という感じであった。

が、そこはやはりあかねの客である。
様子が普通ではない。その筋肉隆々の彼は、白のグンゼと思われるブリーフ1枚を着用して椅子に腰かけており、なぜか泣いていた。

「いつもあかねをご贔屓いただきありがとうございます。私店長のでりともうします。・・・あのぅ、お客様どうかなさいましたか?」

ことの成り行きが理解できぬまま、ポカーンとしている私をよそ目にあかねは高木氏の傍に行き首に抱きつき彼の頭をなでた。

「よし君はあかねとお別れするのが悲しくて悲しくて泣いてんだよね〜よちよち♪」

演技モード全開のあかねから状況を把握しようとするが、イマイチ飲み込むめない。
すると高木氏が顔を上げ、口を開く

「ボクは明日から転勤で遠い所へ行ってしまうんだ・・・。だからもう暫らくあかねちゃんには会えなくなるんだ・・・。あかねちゃんはボクの天使なんだ・・・。ボクは・・・ボクは・・・え〜ん!!」

マッスル高木氏は本当に「え〜ん!」と言い大声で泣いたのだ。
私の体全身に鳥肌が立った。
しかし我々もプロである。金を頂戴する者として、全力で高木氏に尽くさねばいけないのである。

「店長さんがポラロイド持って来てくれたから、いっぱいいっぱいよし君とあかねの写真撮ってもらおうね〜ふたりの思い出いっぱいいっぱい撮ろうね〜だからもう泣き止んで。ね!よし君!よし君が泣いてるとあかねまで涙が出てきちゃうよ」

泣き伏す高木氏にやさしく声をかけるあかねだが、顔は笑っている。

顔を上げた高木氏にすかさずディープキスをし、そのままベットへ誘導するあかね。
私もポラロイドカメラの用意を始める。

濃厚なあかねの攻めが続き、高木氏は女性のように身をよじり喘ぎ声を上げる。

「今日もアイマスクしようね♪」

あかねはカバンからアイマスクを取り出すと、高木氏の視界を奪った。

「え〜ん!ボクのあかねちゃんがみえないよぅ〜!」

この男、私がいることなど関係ないのだろか?M男全開である。
あかねは今度はカバンから一本の筆を取り出し、高木氏の乳首を攻めるのである。

「よし君はこうやってあかねに乳首を筆で遊ばれるのが大好きなんだよね〜♪こんな恥ずかしい所も写真で撮ってもらいまちょうね〜♪」

高木氏の視界が遮られているのをいいことに、あかねはそう言いながらも
「ば〜か!」
と口だけで声を出さずに言っているのである。

「よし君はあかねのどこが好きなの?店長さんに教えてあげて」

「ぅん。ボクはあかねちゃんのオッパイが大好きなんだ」

おっぱいかよ!と私は心で突っ込みながら笑いをこらえる。
あかねは
「じゃぁあかねのオッパイいっぱい触っていいょ〜♪」
と言いつつ高木氏の手を胸にあてがい、空いている手で高木氏の顔面にパンチを入れるフリをする。顔はマジである。

あかねの度はさらにエスカレートして行き、今度はカバンからリップを塗る筆を取り出した。何をするのであろうか?とこちらも楽しみになって行く。

足先から筆で高木氏を弄び、だんだんと上へ上へと筆を進めるあかね。そして筆が顔にさしかかり高木氏のおでこに行くとあかねは筆を口紅のついた筆に持ち替え、なんと高木氏のおでこに


『肉』


と書き込んだ

マッスル筋肉マンM男君に変身である。


思わず不覚にも噴出してしまった。
あかねはこちらを向きピースで答える。かなりご満悦である。
時間もあとわずかになり高木氏を口で昇天に導き、プレイ終了である。

別れ際、高木氏、ぃやマッスル筋肉マンM男君はまた号泣していた。
だがそのおでこには赤の紅で『肉』と刻まれている。

ホテルを出、マッスル筋肉マンはタクシーに乗り込み去っていった。
きっとタクシーの運転手もバックミラー越に気づくであろう・・・。

『肉』

異国の地でもがんばれ!マッスル筋肉マン!

(本文に出てくる名前は仮名です。あしからず)

過去の火曜サスペニス劇場は
http://www.vesta.dti.ne.jp/~hmhiro/kyouhu/index.html.htm
にて御覧あそばせ〜


 【生徒手錠】

2002年11月17日


風俗でやって行くにはある程度のアイデアが必要です。ましてやデリヘルなんていうのは、パネルで女の子を指名できるわけでもなく客からすれば「どんな女の子がくるのだろうか?」とやきもきするわけです。それがまたいいなんて言う客は稀で、やはり自分の好みの女性が我が家をノックする・・・。というのがたまらなくうれしいのであります。そんな妄想が玄関を開けた瞬間に、とんでもなく見当違いの女性がやって来ることによりすべてが吹っ飛んでしまい、キャンセルとなると店としてはかなりの時間のロスと経営的ロスを背負うのであります。ならば、女の子のスタイル、顔、のみに神経が集中してしまう客の意識を違う方向に向けてやろうじゃないか!と色々な試行錯誤を繰り返すのです。そこで生まれたのが以前ここでも書いた『任侠デリヘル』 組の頭を殺ってきたヒットマン 自首する前に女が自分のもとへとやって来る。もう二度と会えるかわからない二人・・・。こんな心境で愛し合うなんてことは本物のヒットマン以外には出来ないワケで、それを擬似体験できてしまうのが「風俗」 普段では絶対に有り得ないシュチュエーションを与え、そちらに悦びを向けることにより「キャンセル」を少なくしようと考えたのです。朝起きて居間に行ったら見知らぬ美少女が「今日から一緒に住む事になりました」なんて言われてそこからラブストーリーが展開するとか、急いで学校に向かう途中曲がり角でぶつかった女子校生、教室に入ったら何と先ほどのぶつかった子は転校生だった!「よろしくね」なんて。そんなシチュエーションあるかー!!とちゃぶ台ひっくり返したくもなりますが、ここは少々抑えて下さい、まぁ冷静になりましょうや。そんなわがままな妄想を実現するべく、学校の教室をイメージしてあるラブホテルを予約貸切にしてもらい、制服を着た女の子がホテルの部屋をノックするのであります。頭がちょいとおかしくなければやっていけない職業なのです(職業と認められてないか!?)ある程度の構想を組み立て、雑誌、新聞、ピンクチラシ(私のやっていた頃はピンクチラシ規制はまだなかった)を作ってゆきます。この媒体への宣伝にもかなりのセンスがいるわけでして、キャッチコピー(タイトル)に全神経をそそぐのであります。『生徒手錠』なんていうタイトルの広告はかなりヒットした1つ。まぁ誰が見ても「生徒手帳」と「手錠」のコラボレーション(ダジャレとも言いますが/笑)ということは分かってもらえるのと思うのですが、この『生徒手錠』というタイトルだけでどんなことが行われるのかを男性諸君は妄想するのであります。「生徒」という言葉でコスプレをイメージし「手錠」という言葉で拘束プレイを想像していく、女生徒が手錠をしてあんなことやそんなことをするなどということは、かなりのマニアな方以外は「風俗」でしか味わうことの出来ないプレイなのであります。本日のこの日記のタイトルを見てやってこられた方は見事にこちらの戦略にハマッタのですよ(笑)また、もし今でも現役で風俗業界にいたとしたなら、この時期でしたら相互していただいているみかやん。さんからヒントをいただき『白子三昧』なんていうタイトルで広告を打つのも面白いですね〜。これが旅行代理店の宣伝ならばグルメ旅なのですが、風俗雑誌に載せるともうやらしい広告に早代わりですね。最後に『任侠デリヘル』や『生徒手錠』というキーワードでピン!!ときてしまったマニアな方お久しぶりです。あの頃はお世話になりました(いたら怖いですが・・・)では今日はこのへんで




雪と花をはりあわせたら
風花になります
夜と空想をはりあわせたら
夢になります
星と淋しさをはりあわせたら
冬の星空になります
幼い日の思い出と
淡いかなしみをはりあわせたら
懐かしさになります
言いしれぬ憧れと
ピンクの花びらをはりあわせたら
片思いになります
あなたの心と
わたしの心をはりあわせたら
なにができるでしょうか


1たす1がいつも2になるわけではない。
雪も花も星もそれ自身確かな存在感を持っているのに、
違うものに出逢うことで新しい「なにか」が生まれる。

きっと人も同じだと思う。
一人ひとりはかけがえのない存在。
他の誰とも違う。
一人ひとりは、その人にしかない能力を持ち性格を持ち好みを持っている。

そのかけがえのない一人が、
もう一つのかけがえのない人生に出会うとき、
新しい「なにか」が生まれる。
出逢いが新しい可能性を作りだす。
人と人の無数の出会いは、
一度しかない人生を形づくり彩りを添えるのだろう。

と『レンアイロン』にしてみたのですが、
結局は、人と人についてです。
人間関係は時にして人生を大きく左右しますが、
それを恐れては何もできないのであります。

のるかそるか

見極める眼力を養うことが重要ですね

「あのぉ今からでも面接ってやってもらえますか?」

午後10時をまわった頃だった。
デリバリーヘルス【Brutus】は一日で一番忙しい時間帯だった。

「できれば出張面接に来てほしいのですが?」

「今からですか・・・2時間後にこちらの指定場所で待ち合わせ
という事は可能ですか?」

うちは基本的に向こう側の指定する場所には行かない。
あくまでも、こちらのペースに合わせてもらう。
付け上がらせない為でもあるが、指定された場所にノコノコ入って行き、
入った所をいきなり怖い方々にドカッっとやられては元も子もないからだ。
必ず面接はファミレスや、喫茶店、もしくはこちらの事務所で行う。

「ちなみに今どちらからお電話ですか?」

「※区の○○っていうホテルです。」

「○○!?・・・。○○ってあのホテル○○ですか?」

彼女のいうホテルはホテルとは名ばかりの、一泊2000もしない
ボロ宿屋だ。そんなホテルが今なお営業出来ているのは何故か?
そのあたりはご自身で考えていただきたい。

「その303号室です。私はシホと言います。
この業界の経験はあります。伸長は153cmバスト85ウエスト57・・・」

彼女は電話口で自己紹介をはじめた。
面接に電話してくる女性はみな小さな声で、怯えた感じの声でかけてくる
この業界が初めての人なら尚更そうである。
幾分の経験がある人でも、ここまでハキハキと話し、
電話口で自己紹介を始める女性ははじめてだった。

「失礼ですが、身分を証明するモノを今持ってますか?」

「はぃ。すべて揃ってます。よろしくお願いします」

普段、デリヘルという仕事柄、声を聞き、その人柄や人物像を想像している
このシホと名乗った女性はリスクを背負ってでも、
あちらの言うホテルに出張面接に行く価値がある
そんな気がした。それも早急に行くべきだと思った。
そして何よりも、この女性の「わけあり」が知りたかった―――――――

「わかりました。では今から30分以内にそちらに伺います。」

電話を切り、すぐさま面接の用意をしホテル○○に急いだ・・・

彼女の宿泊するホテルに着きフロントに入ろうとするが、
どうも足が進まない。
このホテルから客が店に電話を入れてきても、
決してウチの女性を派遣することはない。
全くの無関係の一般の方ならどうだかしらないが、
少々事情を知ってるモノならここには立ち入りたくないのである。
はたして彼女はそれを知っていて宿泊しているのか、知らずか・・・
それともやはり部屋に入った瞬間に数人の男に取り囲まれてしまうのか・・・

しかし、彼女と会ってみたいという感情が勝り、フロントに足を入れた。


フロントに人影はあるものの、こちらに気を止めるでもなく、
フロントはテレビに見入っていた。
そして小さなロビーには無国籍状態で色々な人種、
そして様々な風貌の人が行き来している。

今にも壊れそうなエレベーターに乗り込み、303号室に向かった。

意を決し、部屋を コンコン とノックする。

しばらくし、「どーぞー。空いてます!」
と中から声がする。

恐る恐る部屋に入ると怖そうな人の姿はなく、
代わりに、小柄な女性が向こう向きでテレビに噛り付いていた。

かなりの音量で浜崎あゆみが歌っていた
彼女はテレビに食い入り、振り返ろうともしない。


居場所がなかった 見つからなかった
未来には期待出来るのか分からずに

いつも強い子だねって言われ続けてた
泣かないで偉いねって褒められたりしていたよ
そんな言葉ひとつも望んでなかった
だから分からないフリをしていた


出来すぎたシュチュエーションだったが、
これが彼女の全てだった。


歌が終わると彼女はこちらを振り返り、
「わざわざありがとうございました」
と深々と頭を下げた。
なぜか彼女の目には涙があった。

こちらを見上げた姿はきっと道で100人とすれ違ったなら、
100人が間違いなく振り返るであろう そんな女性であった。
涙を拭い、真っ直ぐこちらを見つめ、再び話し始めた。

「名前はシホと言います。
わざわざこちらまで来ていただいて有難うございました。
早速なんですが、まず1つ質問させて下さい。
そちらには寮完備と書いてありましたが、すぐに入居できますか?
私は今日中しかここに宿泊出来ません。
今手持ちが200円しかありません。ですので、
寮に即入居出来ないと困るのですが・・・」

その一言でなぜ出張面接にこだわったのかのかが分かった。
待ち合わせの場所に行こうとも、その行く金さえも持ち合わせていない。

「あいにく、寮は今満室だけどね、うちの事務所に空き部屋があるから
そこでしばらく寝起きして、寮が空き次第に即入居という事でどう?」

彼女はありがとうございます。
深々とお辞儀をし、大きな目はこちらからそらすことは無かった。


「あのさぁ、ここですぐに簡単な面接するのもいいけど、
手持ち200円じゃ何も食ってないんじゃないの?
とりあえずコンビニで何か買ってくるから、それ食べながら話ししない?」

彼女はもう一度ありがとうございます。
と答えた。

ホテルを出て、真っ先に麗華の携帯に電話を入れる。

「アイヨー。親分サン麗華デゴザイマスゥ ご無事デヤシタカー
コチラハバリバリ仕事ジュンチョーネ 」

「あのなぁ。しばらくしたら女の子一人連れて帰るから、
うちの仮眠室を綺麗に掃除しといてくれるか?忙しい時に申し訳ない!」

「ソンナ事アヤスイ御用でヤンスョー!麗華にオマカセクダセぇ〜」

「アヤスイ御用じゃないょ。それを言うならな、お安い御用って言うの」

「アーー麗華マチガイネ オヤスイオヤスイアルネー!きゃはは〜」

すっかり「勘ちゃん語」がお気に入りになった麗華が相変わらず屈託の無い声で答えた。

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